クチナシは初夏に純白の花を咲かせ、良い香りを漂わせますが、一重のクチナシは花後に中心部が膨らんで、秋には実が実ります。

この実を乾燥させると、山梔子（さんしし）と呼ばれる生薬になり、吐血・黄疸・血尿・不眠症などに効能があると言われていますが…

くちなしの実にはサフランと同じく、クロシンというカロチノイド系色素が含まれていて、昔から着色料として使われています。
おせち料理の栗きんとんの着色などによく使われますね。
サフランと同じだったら、たくさん植えてもちょっとしか収穫できないサフランの代わりにこれを使ってもいいんじゃないでしょうか？

このくちなしの実を使って、大分県臼杵の郷土料理の黄飯を作りました。

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臼杵と言えば、戦国時代、キリシタン大名の大友宗麟が収めていた地域です。
文献によると安土桃山時代、日本にやって来たイスパニア（ポルトガル・スペイン）の宣教師たちが、宗麟公に献上するためにパエリヤを作ろうとしたのですが、日本にはサフランがなかったので、当時の武士たちが薬として携帯していた、くちなしの実を使って作ったのが始まりといわれています。
それを宗麟公が領内に広め、現在も大分県の郷土料理として残っています。
臼杵以外でも黄飯を郷土料理としているところがいくつかありますが、臼杵は宣教師たちが日本で布教するための基地的な役割をしていたので、宣教師たちがそこから各地へ伝えたのかもしれません。

これはお正月に作ったものですが、黄飯はおめでたいときに赤飯の代わりに食べるもので、普通は「黄飯かやく（写真右の椀）」という汁をかけて食べます。

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でも、私は今回は、かやくは作りません。

サフランライスの代わりなので、ミントの葉を飾ってみました(^_-)-☆
今の時期のわが家のご飯は基本的には玄米ですが、ご飯に色付けする場合、玄米では色が冴えないので7分搗き米を使いました。

黄飯を作るときのポイントは、米とくちなし水を合わせたらすぐに炊くことです。
クロシンは米の酵素と反応すると緑色に変色する性質があります。
酵素は42～48度くらいで死滅するので、パエリヤのように先に米を炒めて熱を通していれば問題ないのですが、黄飯やサフランライスの場合は、どうしても多少は緑がかった黄色になってしまいます。
気になる場合は、先に米を少し加熱してから、くちなし水を入れて炊くと良いです。

【今日の一品】バターチキンカレー with 黄飯
サフランライスの代わりに黄飯を作ったのは、バターチキンカレーを食べるためでした。

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普段は油脂類はオリーブオイルとごま油しか使いませんが、バターチキンカレーだけはオリーブオイルで代用というわけにはいかないので、バターを使いました。
バターチキンカレーは、行きつけのインド料理店でも一番人気のメニューだそうですが、やっぱり美味しいですね。
黄飯ともよく合います。

くちなしの実で黄飯を作ってみました

くちなしの実で黄飯を作ってみました